繊維について第9回「紡績」
こんにちは、株式会社フォーリン、HP更新担当の野村です。
今回は「紡績」に関してご説明していこうと思います。
繊維について第1回でご紹介いたしました、繊維の分類の一つ「短繊維」に関しては、紡績という工程を経なければ糸にすることはできません。
繊維について第1回の記事はこちら↓
今回は一般的な紡績の工程をご紹介いたします。
1.「混打綿」
こちらの工程は、まず圧縮されているわたを解きほぐすための工程です。
綿(メン)や羊毛はゴミが綿に混ざっていることもあるので、この工程でゴミを落とします。
また、混紡糸を作成する際には、この工程でわたを混ぜ合わせます。
混ぜ合わさったわたは「ラップ」と呼ばれるシート状にまとめられ、次の工程に進みます。
2.「梳綿(りゅうめん)または、カーディング」
出来上がったラップは、繊維の方向がバラバラのままで、緩やかに絡まっているので、それを櫛で解くようにして、繊維の方向をそろえます。
同時に、混打綿の工程では落ち切らなかった微細なごみなどを、除去します。
一定の方向にひき揃えられた繊維は、一本の「スライバー」と呼ばれる太い紐状にまとめられます。(紐状といっても、そろえてまとめられているだけなので、非常に簡単に切れます)
3.「錬条」
出来上がったスライバーを複数本まとめ、引き伸ばします。
スライバーを複数本まとめることで、糸ムラ減らしより均一な錬条スライバーを作成します。
4.「粗紡」
錬条スライバーに、ここで初めて「撚り」を入れます。細く引きのばしながら撚りをかけ、精紡機にかけられるような糸を作成します。
出来上がったものを「粗糸」といいます。
5.「精紡」
粗糸をさらに細く引き延ばし、指定の細さになるように、撚りをかけていきます。
これでやっと紡績糸の完成です。
6.「巻き返し」
精紡機を経た糸はボビンに巻かれているため、使いやすいようにチーズやコーンに巻きなおされてから出荷されます。
以上が一般的な紡績の工程です。
高級糸や綿(メン)などは、カーディングと錬条の間にコーミングという工程を経ることがあります。この工程を経ることで、非常に微細なごみを除去し、繊維の方向をさらに整えることで、非常にきれいな糸ができます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
前回の記事はこちら↓
次の記事はこちら⇩
0コメント