繊維について第2回「植物繊維 綿と麻」
皆様こんにちは。株式会社フォーリンHP制作担当の野村です。
今回は第2回ということで「植物繊維」について書いていきます。
前回の記事をご覧になられていない方は、このページの下部に前回の記事のリンクがあるのでどうぞそちらからご覧ください。
さて今回は「植物繊維」についてです。
植物繊維は以下の5種類に分類されます。
「種子毛繊維」
「靭皮繊維」
「葉脈繊維」
「果実繊維」
「その他」
全てその名の通り、繊維となる部分の名称がついています。
種子毛繊維は、種子を保護するために生えている種子毛を使った繊維で、綿など。
靭皮(じんぴ)繊維は、植物の外皮の内側にある皮を使用した繊維で麻(亜麻、苧麻)など。
葉脈繊維は、葉脈を使用した繊維で、マニラ麻など。
果実繊維は、果実を繊維化したもので、やし。
その他は、藁(わら)やイ草などです。
この中で特に親しみがあるのは綿と麻でしょう。
綿は古くから衣料に使われている、代表的な繊維一つです。
綿の繊維構造は中空になっていて、自然に撚りが入っているのが特徴です。
この中空構造が、綿の特徴の一つである「吸水性」の正体です。
この空間に水分を蓄えることができるので、吸水性が高くなるのです。
他の綿の特徴は「肌触りが良い」「濡れると強度が増す」「染色がしやすい」「通気性が良い」「日光にさらすと黄ばむ」「洗濯によって縮む」などがあげられます。
そして一概に綿といっても種類があります。
その中でも繊維長が長く、細いものほど高級品として扱われます。
では繊維長別に、綿の種類をみていきましょう。
繊維長が長い綿
・海島綿(シーアイランド綿) 西インド諸島周辺で作られる特に高級な綿。細く、長く、光沢があり、肌触りも良い。英国王室御用達の綿。限られた地域でのみ栽培され収穫量は非常に少ない。
・エジプト ギザ綿 特にギザ45とギザ70という種類は特に繊維長が長い。また強度に優れている。
・アメリカ スーピマ綿 ペルーのピマ綿を改良したもの。
・中国 新疆綿(しんきょうめん)
・ペルー ピマ綿
などが当てはまります。
特にギザ綿、スーピマ綿 新疆綿は世界三大綿と呼ばれ、高級綿の代表的な存在です。
主に高級なシャツやドレス、シーツ等に使われています。
繊維長が中程度の綿
・アメリカ アプランド綿
・メキシコ綿
・ブラジル綿
などが当てはまります。
綿のほとんどがこのクラスなので、私たちの身近にある綿はほとんど繊維長が中程度の綿ということになります。
繊維長が短い綿
・パキスタン綿
・インド綿
などが当てはまります。
太く短いですが弾力がある綿なので、布団の綿やタオルなどに使われています。
一方、麻も古くから使われてきた植物繊維の一つです。
私たちが衣料として使用する麻は、主に2種類です。
一つは「亜麻(あま)」
もう一つが「苧麻(ちょま)」です。
麻の特徴は、「腰や張りの強さ」「しゃりっとした風合い」「高い吸水・吸湿性」「水にぬれると強くなる」「しわになりやすい」等が挙げられます。
「亜麻」は「リネン」とも呼ばれ、最近ではこちらの方がなじみがある人も多いのではないでしょうか。
一般的に想像する麻のイメージとは少し違い、風合いがしなやかで綿に近い。繊維長は短く、細いのが特徴の麻です。
一方「苧麻」は「ラミー」とも呼ばれる麻です。
こちらは繊維長が長く、太いのが特徴で、絹のような光沢があり、天然繊維の中では最も強いのが特徴です。
麻の衣料はその涼感から多くが夏物の衣料として使用されています。
衣料以外ではその強度を生かして、ロープや麻袋などの資材に使われることも多い繊維です。
今回のおさらい
植物繊維は「種子毛繊維」「靭皮繊維」「葉脈繊維」「果実繊維」「その他」の5種類に分けられる。
綿は繊維長によって分けられ、長く細いものほど高級とされる。
吸水性が高く肌着などに使用されている。
麻の衣料は「亜麻」と「苧麻」に分けられ、亜麻は細く短い繊維で綿に近い風合い、苧麻は太く長い繊維で天然繊維の中で最も強い。その涼感から夏物衣料に使われる。
次回は「動物繊維」について詳しく紹介したいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
参考文献
愛知県繊維振興協会(2016) 『TEXTILE HANDBOOK』
一見輝彦 (2014) 『わかりやすい アパレル素材の知識 改訂版』 星雲社
等
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